こだわりのいっぴん



初代初弘、星野三吉に、実家の甥の文作と弟の巳弥治の二人の兄弟が弟子入りしていました。
三吉には実子が居なかったため、二代目を兄の文作が継ぎましたが、初代初弘には、それ以前に跡継ぎにする積りで養子にしていた子供がおりました。

この養子は、二代を継いだ文作の弟で、佐藤巳弥治の兄にあたる間の兄弟で三作と言いましたが、子供の時に初代の養子に入っていました。
ところが、成人してから、義父である初代と折り合いが旨く行かなかったようで、独立して表題の初行銘の鉋を造るようになったのです。

ただ、流石に初代初弘の薫陶を受けた方です。最盛期は5,6名の職人さんを使っており、切れる鉋鍛冶として繁盛したそうです。
佐藤さんから分けて頂いた鉋の中に、この鉋がありましたのでご紹介します。

ある時、私のホームページをご覧のお客様から、鉋についてお問い合わせを戴きました。

その方は、「ジャンク品として3枚購入した中に、研ぎ減った同銘の作品があり、仕込み直して使ったところ、非常に良く切れるのが解りました。大分短くなっているのでもったいなくて、使いたくないがあんまり良く切れるので、どうしてもまた使ってしまうので、同じ鉋を探しています。」とのことでした。

送って下さいましたその鉋の画像は花押の刻印が違う以外、他の刻印は当社の在庫の品と全く同じでした。

お客様の鉋寸六の画像が次です。クリックすると拡大写真がご覧頂けます。


初代初弘は非常に切らした人で、初代の指導を受けた二代目初弘、金井、佐藤さん等、この一派の方々の鉋もまた全て、兎に角、よく切れるので、今迄に絶大な評価を戴いています。

次は佐藤さんから分けて頂いた寸六で、クリックすると拡大写真をご覧頂けます。





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