週刊文春平成21年8月6日号より引用

「一杯のかけそば」を超えるか!

布施明の「童話」が映画になる

 歌手、俳優として活躍する布施明(61)の創作した童話『この手のひらほどの倖せ』(文芸春秋刊)が、静かなブームになっている。 「布施さんが、○五年のコンサートツアーで朗読したところ、各地の会場ですすり泣きが生まれた、という評判を聞いて、○七年三月に出版しました。出版から二年以上かけて、五刷まできた。ゆっくり長く売れるという異例の作品になっています」(出版担当者)

 童話の舞台は、東京オリンピック直前、高度経済成長の幕が開いた昭和三十年代半ば。主人公は幼い兄弟二人。二人の母は亡く、父は出稼ぎへ行ったまま戻ってこない。そして、愛情を注いで育ててくれた祖父も亡くなり、二人は養護施設へ。しかし、祖父の死を信じられない兄は、弟を連れ施設を抜け出して祖父と暮らした家へと向かう。歩き続け、腹が減り、ついに倒れそうになる。そこで二人に差し出されたものは・・・・・。

 その後、養父母の下で幸せに育ち、成人して家族を持った弟が、二十歳を目前に夭折した兄との思い出を回想する物語には、まるで実体験のような迫力がある。  「作品は創作ですが、読んでいただいた方々から、布施さんの幼少期は大変だったのですね〃と声をかけて頂くことがありました」(布施氏)

 そして今年六月、映画化が決定した。
 「今は、大人が観て感動したり、昔を懐かしんだりする映画が少ないですね。この童話は大人が感動する物語です」(プロデューサーの佐藤ヒデアキ氏)

 監督は、故岡本喜八、大林宣彦、マキノ雅彦ら著名監督の下で撮影監督をつとめてきた加藤雄大氏。
 「現場が長い加藤さんは人望があつく、その初監督作品というので、西田敏行さん、永島敏行さん、仲間由紀恵さんなど、大物俳優も出演をOKしてくれましたL(同前)

 七月一日に新潟県でクランクイン。年明けに公開される予定だ。
 この物語では、人の情けを表すモチーフとして、ある食べ物が登場する。そこで、思い出すのが、毎年の大晦日、かけそばを分け合う母子三人を描いた「一杯のかけそば」。こちらも九二年に映画が公開されて大ヒットした。

 映画「手のひらの幸せLは、これを超えることができるか。
      説明 先に、三条で行われたロケのことが、地元の三条新聞に掲載されましたので下に紹介しましたが、今度は週刊文春に紹介記事が掲載
         されましたのでご紹介しました。完成後の公開が待たれます。

三条新聞平成21年7月2日号より引用

燕三条駅と本寺小路のロケで始まる
『手のひらの幸せ』"高校生"の浅利さんは学生服

原作の布施明さん来条
三条の喫茶店のマスターで出演
高橋前市長は町長役

 新潟県内オールロケによる映画「手のひらの倖せ」の撮影が一日、燕三条地域を最初のロケ地にしてクランクインし、初日のこの日は三条市の本寺小路周辺でも主演の浅利陽介さん(二一)たちが訪れて、撮影が行われた。きょう二日も三条市周辺などで撮影が続き、原作を手がけた歌手、布施明さんも来条して喫茶店のマスター役で、また、エキストラとして地元市民が出演の予定で、高橋一夫前市長も町長役で出演する。

映画は布施明さんの童話「この手のひらほどの倖せ」 (文芸春秋)を原作とした劇場用映画。日本が東京オリンピックの数年前から高度成長に向けて走り出した時代に、都会のにぎわいの中、新潟県の都市で必死に生きる兄弟のきずなを描いた感動作。

 新潟県フィルムコミッション協議会や地元に発足したばかりの燕三条フィルムコミッション(山崎悦次会長)など、地元組織の協力 のもと、長岡市を中心に、三条市、燕市、新潟市など県内オールロケによる作品で、キャストには老人役で西田敏行さん、吹奏楽部の教諭として仲間由紀恵さん、他に永島敏行さん、生稲晃子さんらが出演する。

 撮影期間は一日から二十一Bまでで、燕三条地域では延べ七日間にわたって、三条駅や本寺小路周辺、燕市内では工務店や寺院周辺などで撮影が行われる。

 クランクインの一日、午前中は新幹縁燕三条駅で、午後は三条市の本寺小路周辺でロケ。
 午後二時過ぎからの本寺小路周辺の撮影では、高校生役の主演・浅利さんが黒い学生服の衣装で、友人と自転車に乗って通学する様子などを撮影。通行人役などで、市内の小学生や燕三条青年会議所メンバー、地元商店主などがエキストラとして出演。白い泡状のおのを噴射させながら雪の降るシーンを演出しての撮影で、「本番いきま〜す」と.「はい、カット」を繰り返す中、通りは車と地元の人だちなどでごったかえした。

 主演の浅利さんは「新潟の人たちの思いにこたえられるような作品にしたい。 (共演する)長岡商業高校のマーチングバンドも気合が入っているので、ぼくも頑張ってフルートを練習しているところで、この映画が成功してほしい」。
 監督の加膝雄大さん、プロデューサーの佐藤ヒデアキさんは、カヤぶき屋根のある風景、柿の木のある家など、メーンのイメージに ふさわしい原風景があるとして新潟をロケ地に選んだとし、「同じ目線でロケ地を探してくれた地元のフィルムコミッションの熱意も感じた。四十代から六十代の人たちが目分たちの育った時代を振り返れるようなヒューーマンな映像になると思う。新潟の皆さんの期待にこたえたい」と、張り切っていた。

 初日の撮影を見学に訪れた燕市の五十嵐仁副市長は 「燕三条地域各所での撮影が地域の元気づけにつながってほしい」と、期待を寄せていた。  映画は全国公開は来年二月からだが、県内は正月映画第二弾として先行ロードショーの予定。

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次は、三条新聞平成21年7月3日号より引用(一部前日の記事と重複あり)

原作の布施明さんのシーンも『手のひらの幸せ』本寺小路ロケ『リズ』のカウンターで 
燕三条の収録21日までエプロン着けて布施パ本ものマスターがイチゴパフェ

新潟県内オールロケによる映画「手のひらの倖せ」の撮影が、燕三条地域を最初のロケ地にして一日に始まったが、二日も三条市の本寺小路周辺での撮影が続き、原作者の歌手・布施明さんも来条して喫茶店のマスター役で収録を済ませた。

 布施さんはこの日午後二時過ぎから六時ころまで本町二地内のカフエ&パブ 「リズ」(阿部勝子さん経営)の店内で収録を行ったもの。
 同店が撮影場所として選ぱれたのは、昭和三土八年九月創業と歴史があり、外観もレンガづくりのレトロな雰囲気がよく、昭和三十 年代から四十年代を舞台にした作品のイメージにぴったりのことから。  収録に臨んだ布施さんは、撮影スタヅフでいっぱいの店内のカウンター
の中で、黒っぽいエプロンを着け、バンダナを巻いてマスター役。

 外からだと店内の様子は分からなかったが、店の外にはたくさんの地元の人たちが収録で出入りするスタッフの様子を興味深そうに見守っていた。
 布施さんに役を奪われた格好の同店の阿部藤男マスターは、時折イチゴパフエを実際につくるなど、収録に必要なメニューづくりに協力していた。
 阿部マスターは「(布施さんは)入って来るなり、 『きょうはよろしく!』とあいさつされて、とても腰の低い、印象のいい方でした」と、初対面の印象を話した。

 映画は布施明さんの童話「この手のひらほどの幸せ」 (文芸春秋)を原作とする劇場用映画。
 日本が東京オリンピックの数年前から高度成長に向けて走り出した時代に、都会のにぎわいの中、新潟県の都市で必死に生きる兄弟のきずなを描いた感動作で、燕・三条地域での収録は二十一日までの間に七日間行われる。

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